歯科口腔外科学の
医学部における教育
口腔は消化器の一部ですが、発声や感覚器としても重要であり、その生理学的機能の理解また病態の知識を持つことは医師として必要なことで、隣接領域としての歯科学、特に口腔外科学は、将来医師として臨床に携わる者にとって必須の知識です。
生理学的な観点から、生後からの個体の発育にとって歯牙・咬合の確立・維持は、摂食だけでなく言葉の獲得にも重要であり、明瞭な構音にはなくてはならないものです。健全な咀嚼の発育は、個体全体の発育にも大きく関わります。青壮年期また老年に渡って健康を維持するために健全な咬合の維持・保全が同様に大切です。
病態学的な観点からは、歯性炎症、顎骨歯原性腫瘍、咬合不全を伴う顎顔面外傷、歯牙萌出形態異常など様々な疾患についてその概論や治療学についての知識を有することは医師として必須です。移植外科・内科のみならず、整形外科領域の関節外科等においては、歯性炎症巣からの病巣感染の有無が、治療の予後にも影響を与える可能性も指摘されており、歯科疾患の概略的な知識は各専門領域の医師にとっても大切です。
医学部において、歯科口腔外科学の系統的な教育を、講義、チュートリアル、臨床実習を通して行っています。
歯科口腔外科学
教育シラバス
3年次生
臨床総論講義 基本的診療技能 身体診察頭頚部(歯・顎・唾液腺)
4年次生
臨床総論講義 口腔の構造・機能・生理
第8ユニット統合講義
- 歯科口腔外科総論 歯学概論・歯の発生・う食症
- 咀嚼障害・嚥下障害
- 歯科口腔外科学各論 歯周疾患と口腔清掃
- 歯科口腔外科学各論 良性腫瘍
- 歯科口腔外科学各論 外傷・顎関節・顎変形症
- 歯科口腔外科学各論 頭頚部の診察(口腔内診査)
- 歯科口腔外科学各論 歯性炎症
- 歯科口腔外科学各論 神経疾患・唾液腺・嚢胞
- 歯科口腔外科学各論 粘膜疾患・悪性腫瘍
- 歯科口腔外科学各論 病院歯科における口腔外科臨床
5年次生
医学実習(Ⅰ)臨床ポリクリ
6年次生
医学実習(Ⅱ)臨床スーパーポリクリ
医療総合講義 口腔と全身との関連
医療総合講義 医事紛争 医師になる前に知っておくべき法律問題